自社ローン金利0%ではない!?手数料が上乗せされている?

過去に金融事故を起こしてしまった方や、そのほかの理由で銀行系のオートローンを組めない方にとって嬉しい自社ローンですが、金利0%の裏には理由があるのをご存知でしょうか?

今回は、自社ローンの金利0%の仕組みについて解説していきます。

自社ローンは金利0%でお得に見えるけど・・・

中古車販売店などで扱っている自社ローンは、金利0%が基本です。金利0%と聞くと、利用者にとってはとても嬉しいサービスのように感じてしまいますよね。でも、うまい話には裏があるんです。

車販売店は小売業

新車・中古車を販売している店は「小売業」として登録されています。「貸金業」ではありません。貸金業として登録しない限り、金銭の貸し借りを行う際に金利をつけることは違法になってしまいます。

ですから自社ローンは「金利0%」でなければいけないのです。

車販売店が「貸金業」で登録するためには、貸金業務取扱主任者を配置する必要があります。さらに車販売店が法人で純資産が5,000万円以上なければいけません。車販売店が「貸金業」として登録するには、たかい壁があるのです。

金利は0%の分は価格に上乗せしている?

自社ローンは金利ゼロが基本ですが、利子分を価格に上乗せして儲けを出しています。

中古車の価格設定は「車体価格」と「諸経費」の合計で決まります。

金利分は中古車の仕入れ価格そのものに上乗せされていることが多いので、ほとんどは「車体価格」に含まれてしまいどのくらい上乗せされているかが不透明です。

一方で、さらに「諸経費」として上乗せを行っているところもあります。諸経費には、絶対に値引きできない「法定手数料」と、値引き可能な部分もある「手数料」があり、次のような内容になっています。

法定手数料

法定手数料には次のものが含まれます。

  • 自動車税
  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 消費税

その他の手数料の主なものは次の通りです。

  • 車の名義変更登録費用
  • リサイクル費用
  • 車庫証明費用
  • 納車費用
  • 下取り費用

「法定手数料」は必ず支払わなければいけませんが、その他の手数料で上記の他によくわからない名目で費用が上乗せされている場合があります。金利での儲け分を、別の「手数料」として上乗せされていることに気づかないまま購入してしまうと、結果的に損してしまうこともあるのでご注意ください。

自社ローンの上乗せ金利とオートローン金利の価格差

オートローン金利と自社ローン上乗せ金利の価格差はどのくらいあるのでしょうか?両者を比較してみましょう。

オートローンの金利

中古車を購入する時によく利用されるオートローンには、オリコやジャックスなどの信販系オートローンと、メーカーディーラーで扱っているディーラーローン、そして銀行で扱っているマイカーローンなどがあります。

それぞれの金利相場は次のようになっています。

  •  信販系オートローン・・・金利相場3~10%前後
  •  メーカーディーラーローン・・・金利相場4~8%前後
  •  銀行系マイカーローン・・・金利相場2~4%前後

このように見てみると、銀行系マイカーローンが金利が低いことが分かります。しかし、銀行系ローンは、審査基準が厳しいため過去に金融事故を起こしていたり携帯料金を滞納していたりするとローンを組むことができません。

信販系オートローンは、中古車を購入する人の利用率が最も高くなっています。

メーカーディーラーローンは、トヨタやホンダ、日産などの自動車メーカーで扱っているものですが、メーカーで提携している信販会社が融資先となっています。銀行系に比べて審査は比較的ゆるめです。

自社ローン

自社ローンの場合、金利が0%となっているので、その分車体価格などに上乗せされているということを先ほど解説しましたね。どのくらい上乗せされているかは明細書などで確認することができないため不透明です。しかし、目安として次のような数値を覚えておくとよいでしょう。

  • 自社ローン・・・金利分の上乗せ(10%~20%前後)

この数字を目安にすることで、およその車体価格が分かりますね。車の状態や年数、走行距離から同じ車種を比較したときに、明らかに高いものがあるとしたら、金利以上の上乗せがされているのかもしれません。

例を元に比較してみよう

それでは実際に各ローンを比べてみましょう。

車両価格100万円で2年ローン(毎月払い)を組んだ場合の金利

金利 利息
信販系ローン 3~10%  31,639~107,468円
ディーラーローン 4~8%  42,186~85,444円
銀行ローン 2~4%  20,953~42,186円
自社ローン 10~20%(上乗せ分)  107,468~221,492円

このような計算となります。

自社ローンは表向き金利が0%となっていますが、その金利分が車体価格に上乗せされていると考えると、信販系・ディーラー・銀行の各オートローンを組んだ方が実質安くなることが分かりますね。

上乗せ分があることを頭に入れておこう

自社ローンは表向きは金利0%となっているので、お得に感じる方も多いでしょう。しかし、そこには車両価格に金利分が上乗せされているというカラクリがあることを覚えておきましょう。

とはいっても、オートローンを組むことができない人にとって自社ローンはありがたいサービスです。困ったときは車販売店に相談して、よりよい方法を模索してみてください。

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